オナ禁は一日にしてならず

オナニーで人生を破滅させた男が失われた全てを取り戻す為、起死回生を図った魂の記録

性欲と悶絶のあいだ(最終章)

「続きまして次のニュースです。

今日午後2時過ぎ、東京都〇〇区のマンションの一室から

住民と見られる男性の遺体が発見されました。

 

遺体は損傷が激しく、専門家の調べによると

死後一ヶ月以上経っており、遺体の一部は白骨化しているとの事です。

 

住民の男性は1年ほど前から自宅にこもりがちになり、

近所付き合いなども全くなかった様です。

 

警察の調べによると、同じ階に住む女性が異臭に気がつき、

家族と管理人が合鍵を使って中に入ったところ、

およそ6畳の部屋の中央で

遺体が横たわっていたそうです。

 

遺書などは見つかっておらず、警察は

男性の遺体を司法解剖に移し、事件の経緯を調べて行く方針です。」

 

キャスターがニュースを読み上げた後、

コメンテーターが好き勝手に想像でああでもないこうでもないというのは、

最早日本の恒例行事みたいになっていた。

 

警察は事件が起こってからしか動かない。

まだ起こってない事件は取り締まりもしない。

行政も役所も皆同じだった。

 

そうして犠牲者は増え続ける。

 

そして事があった後にどうして救えなかったのかと

反省ばかりして結局のところ、何もしない。

 

そうやって同じ事を繰り返し続けているのが今の日本の姿だった。

 

10.それぞれの結末

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ガチャ・・・

 

ゴミで溢れかえった、とあるマンションの一室に

二人の男が色々な器具を持って入ってきた。

 

部屋の原型を止めていないほどうずたかく積まれた

ゴミの山をかき分け、リビングへと進んで行きながら

若い方の男が話し出した。

 

「稲本さん、自分、この仕事やってもう4年経ちますけど

こんな酷い現場は初めて見ましたよ。

気分悪くて今日はもう飯食えそうにないっす。」

 

「文句をたれるな松田。

これも経験だ。我慢しろ。」

 

稲本と呼ばれるベテラン清掃員の男は

松田という若手清掃員を諭し、慣れた手つきで作業を始めた。

 

「この部屋に住んでた人、

必ず人生変えるとか沢山ノートに書いてますよ。

毎日何ページにも渡ってびっしり。

きっと夢持って生きてたんでしょうね。」

 

松田が遺品整理をしながらつぶやいた。

 

「頑張ってる人間が幸せになれない今の世の中って、

一体なんなんすかね・・・」

 

「おい松田。」

 

稲本が手を止めて口をはさんだ。

 

「入社してすぐの時にも教えたがな。

俺たちの仕事は仏さんの過去をあれこれ詮索して、

感傷に浸る事じゃねえんだ。

 

そんな事は警察にでも任せときゃいい。

 

俺たちの仕事はな、仏さんが安心して成仏出来るように

現場を全て綺麗に片付ける事だ。」

 

「あ、はい。すいません。」

 

「・・・とは言え、感傷に浸ってるのは俺の方かもしれねえな。」

 

「え?どういう事ですか?」

 

「俺にも亡くなった仏さんと同じくらいの息子がいたんだよ。

都会で一旗揚げるって息巻いて20代で会社起こした、

生意気だが憎めねえガキだった。」

 

稲本は当時を思い出すように天井を見上げて話を続けた。

 

「その3年後だった。

会社の経営が行き詰まって、首が回らなくなってな。

甲斐性のなかった俺はあいつに何もしてやれなかった。

 

連絡が取れなくなって一週間後に首つり状態で発見された。

 

上司に頼みこんで現場の片付けは俺が全て担当したんだ。

 

親として、あいつにできる事をしてやりたかった。

 

でもまさか、この仕事してて息子の

自殺現場を片付ける事になるとはな。

全く、今となっちゃ笑えねえ話だよ。」

 

「稲本さん・・・」

 

「さ、話は終わりだ。

今日は後もう一件現場が残ってるからさっさと片付けちまおう。

それから最後に仏さんの供養も忘れるなよ。」

 

「はい。」

 

 

一方、A社ではここ数日、ある案件で朝から夜まで

課長以上の社員はおろか、役員までもが各所の対応にかけずり回り、

社内にはただならぬ雰囲気が漂っていた。

 

「三上さん、奥さんに刺されて死んだんだってね。」

 

「ああ、ニュースで見たよ。

奥さんが浮気調査依頼してた探偵に現場押さえられたんだと。

 

山中さんとホテルから出て来たところをナイフで襲われたらしい。

 

現場は辺り一面、血の海であまりにも

むごたらしい光景だったから、報道に一部規制がかけられたって話だ。」

 

「うわあ・・・旦那の浮気でそこまでやるかよ。

やっぱ女って怖えな。」

 

「無理ねえよ、何でも山中さんとの関係を続ける為に、

結婚当初から二人で老後の為に溜めてた定期預金を全額引き落として

使い込んでたらしいからな。

警察が押収した預金通帳にはほとんど金が残ってなかったそうだ。」

 

「で、山中はどうなったんだ?」

 

「何とか一命は取り留めたが、脊髄損傷で下半身不随。

 

会社にもいられなくなって、退職してからは

生活保護を受けながら精神安定剤(クスリ)に頼って廃人生活だ。

 

気持ちの上げ下げが激しいんだとよ。

自殺未遂繰り返してるって聞いたから、多分もう長くねえだろうな。」

 

「奥さんは殺人と暴行・傷害で一審、二審ともに求刑死刑。

仮に死刑を免れても無期懲役が確定路線だ。」

 

「自分の身近でこんな事があったら、不倫は文化だなんて

とても怖くて言えねーわ。」

 

「ああ、全くだ。

でもウチの会社、取引先からもほとんど切られて

株価も大暴落しちまったし、これからどうなるんだろうな。」

 

 

そして一年後、

ある会社のビルの屋上で一人の男が風に当たりながらスマホを眺めていた。

 

懐かしそうで、でもどこか寂しげな顔で画面を見つめている

その男は遠藤達也だった。

 

「見ィつけた。

何だ、こんなとこにいたのかよ。」

 

「柳本。」

 

「急にいなくなっちまうから探し回ったよ。

この前の新薬の臨床実験の結果報告書、

さっさと挙げてくれって所長が俺ンとこにまで来て往生したぜ。」

 

「ああ、済まない。

今日中に仕上げとくよ。」

 

柳本と呼ばれた、長身で伊達眼鏡をかけた男は

遠藤の隣で柵にもたれかかり、

タバコを一本取り出して火を点けた。

 

「勤務中に吸うなって前にも言っただろ?

それにもうタバコ辞めたんじゃなかったのかよ。」

 

「研究主任の特権だ。大目に見ろ。

そういう勤務中に動画見てるお前はどうなんだよ?」

 

柳本が画面をのぞき込むと、そこには学生時代の

達也と友達の一樹が映っていた。

 

「これさ、大学の飲み会で撮った動画なんだ。

二人とも毎日バカばっかやってて、

世の中の事なんてまだ何も知らないただのガキだった。

 

あんまり騒ぎすぎたからこの後、店員に思いっきり怒られて

レッドカードで一発退場喰らったんだよな。」

 

楽しそうにはしゃぐ二人を動画越しに見ながら、

遠藤は寂しそうに語る。

 

柳本はタバコの煙を宙に浮かせながら遠藤の話を黙って聞いていた。

 

しばらく沈黙が続き、風の音だけが二人の間に

流れた後、柳本が口を開いた。

 

「お前、まだ去年死んだダチの事を気にしてんのか?」

 

遠藤がうなずく。

 

「あいつは死ぬ前に俺に助けを求めて来た。

でも俺は結局、あいつを救ってやれなかった。

あいつの事は長い付き合いで

誰よりも分かってるつもりだったが、何にもわかっちゃいなかった。」

 

「お前の責任じゃねえよ。

お前は自分のやり方でダチを助けようとしたんだろ?

結構な話じゃねえか。」

 

「もし・・もし、あの時俺が

あいつの苦しみを理解できて、

適切な行動を取れていたら、結果は違ってたかもしれない。」

 

もしこうだったらなんてこの世の中にはねえよ。

起こった事だけが事実だ。」

 

分かっていた。

そんな事は20数年生きてきて何度も経験して

分かっていたはずだった。

 

でもそれだけでは割り切れない何かがあった。

 

「もうすぐ二人目、生まれるんだろ?

肝心のお前がそんな事でこれからどうすんだよ。

お前には親父としてやらなきゃいけねえ事が山ほどあンだろが。」

 

「ああ、そう、そうだな。

そろそろ仕事に戻るとしよう。

手間かけて悪かったな。」

 

「いいさ、俺とお前の仲だ。」

 

遠藤が立ち去ろうとした時、柳本が思い出したように声をかけた。

 

「遠藤。」

 

「?どうした?」

 

「また今度飲みに行った時にでもダチの話聞かせてくれ。」

 

「ああ、勿論お前の奢りでいいんだろ?」

 

「ちゃっかりしてやがる。」

 

苦笑して柳本はその場を離れた。

 

 

 

 

 

「人は誰でも昨日より今日、今日より明日を

より良い物にしようとそれぞれの人生を生きている。

 

だが、世の中は決して綺麗な物ばかりじゃない。

 

頑張れば幸せになれるという保証もない。

 

不条理な事も多いだろう。

逃げ出したくなる事だってあるだろう。

 

それでも生きなければいけない。

前に進まなきゃいけない。

立ち止まる事があってもいいが、立ち止まったままではいけない。

 

そんな時代に俺たちは生きている。」

 

今は亡きが書き残したノートの最後のページにはそう書かれていた。

 

(終わり)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

性欲と悶絶のあいだ(後編ー2)

これまでの「性欲と悶絶のあいだ」

 

達也から情報商材をもらった俺は

その日から早速、オナ禁を開始した。

 

しかし続かない。

 

3日も続かない。

 

「今度こそは」と決意して、その3日~4日後には抜いてしまう

負の連鎖をいく度も繰り返した俺の

摩羅はオーバーヒートして疲れ切っていた。

 

「くそっ!!

何でだ!何で続けられないんだ!!」

 

本気で人生を変えると決意したのになんて様だ。

 

このままではダメだと思った俺は

気分を変える為、久方ぶりに街へでかける事にした。

 

その帰り道の途中、

都会の人と喧噪に触れ、気持ちを切り替えて

もう一度頑張ろうと鋭気を取り戻していた俺の目に

飛び込んで来たのは信じられない光景だった。

 

それは俺を退職に追い込んだ三上と山中千春が

2人で仲良くホテルから出て来た姿だった。

 

「どうしてあの2人が・・・

一体どうなっているんだ?」

 

8.暴かれた真実

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その日の夜、俺は三上と山中が所属する会社にいる

知り合いの中谷祐介に電話をしていた。

 

彼とはA社との合同企画の際、

頻繁にやりとりをして連絡先を交換した

気心の知れた仲だった。

 

しばらくして後、中谷が電話に出たので

俺は今までの経緯と今日見た事を順を追って

話し、彼なら2人の関係について何か知っているのではないかと

聞いてみた。

 

「・・・・・・。」

 

中谷はずっと沈黙していたが、やがて意を決したのか、

真相を俺に話してくれた。

 

「あのさ・・・。

お前に気の毒だから、ずっと黙っていたんだが

三上さんと山中さん、

2年ほど前から不倫してるんだよ。

2人はバレてないと思ってるみたいだが、

ウチの会社では皆知っていて割と有名な話なんだ。」

 

つまり真実はこうだった。

 

山中と不倫していた三上は上司である権力を利用し、

彼女に言い寄ってくる男達を

徹底的に潰していたというのだ。

 

俺と山中が打ち合わせを重ねて仲良くしている事が

気に入らなかった三上は、

2人の関係を終わらせてほしくなかったら

「俺から執拗に食事に誘われて困っている」と

課長に報告するよう指示し、

PTSDの嘘の診断書もでっちあげさせた。

 

その結果、俺は

会社をクビになり、三上に完全に嵌められた形になった。


こんな事が許されていいのか・・・

 

「理不尽なのは分かるけどさ、気落とすなよ?

お前は何も悪くない。

ただ運が悪かったんだよ。

お前はまだ若いんだから、きっとやり直せるよ。」

 

すかさず中谷がフォローを入れてくれたが、

そんな気休めの言葉はもう、俺の耳には届いていなかった。

 

電話を切った後、切れかかっていた照明が

チカチカと点滅した部屋で俺はしばらく呆然としていた。

 

どれくらいそうしていたか分からない。

 

時間がそこで止まってしまった様だった。

 

出来れば知りたくない事実だった。

でも確かめなければどうしても気が済まなかった。

信じられない、いや、信じたくなかった。

 

大学生活を勉強に捧げ、苦労してやっと入社した商社で

出世を夢見ていた。

 

世の中から

認められる立派な人間になって、

自分を育ててくれた両親を喜ばせてあげたかった。

 

自分の身一つで上を目指せる世界と信じていたから頑張れた。

 

それなのに・・・

 

俺はくだらない嫉妬でその全てをぶち壊されたのか・・・

 

「はは、はは・・・。

はっははっはっははははは・・・!!」

 

人間は本当に心の底から絶望して

希望を失った時、泣く訳でもなく、怒りに震える訳でもなく、

ただ、ただ笑う事しかできないと聞いた事がある。

 

俺も例外ではなかった。

 

点滅していた照明が完全に消えてもなお、

俺は一人でただ笑い続ける事しかできなかった。

 

その瞬間、俺の中で何かが壊れた気がした。

 

9.壊れゆく男

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ドンドンドン!

 

「御成さん!いるんでしょ!?

もういい加減今月の家賃払ってくださいよ!!

これで何ヶ月滞納してると思ってるんですか!?」

 

今日も朝からマンションの管理会社の人間がやって来て

しきりにドアを叩いていた。

 

俺はけだるそうに目をこすりながらドアを開けた。

 

「あんたホントしつこいなあ・・・

だから今度まとめて払うってこの前も言っただろ?」

 

「今度今度っていつですか!?

あのねえ、うちだって善意で部屋貸してる訳じゃないんだから。

払うもの払ってくれなきゃ困るんですよ!」

 

「グダグダうるせーんだよ!!

今度は今度って言ってんだろ!!!

あんまり騒ぐとしまいにぶっ殺すぞ!!」

 

 俺の怒号に気圧されたのか、黙りこくって男は帰っていった。

 

「ったく・・・」

 

督促状が郵便口に入りきらないほど挟まれたドアを閉めて、

俺は再び横になった。

 

足の踏み場もないほどゴミ袋が山積みになった部屋は

もはや部屋とは言えず、散乱した残り物の食べ物には

かすかに蛆が湧いていた。

 

真実を知ったあの日から何もしていない。

あの日を境にして俺の人生は変わってしまった。

 

何もしたくなかった。

 

気を持ち直して何度かオナ禁をしてみた時期もあったが、

相変わらず全く続かない。

 

もう、何もかもがどうでもよくなっていた。

 

心配した両親や達也が何度か連絡をくれたが、

「不在着信」が延々と並ぶ俺のスマホはとうの昔に止められて

全く使い物にならなくなっていた。

 

時間の感覚ももう、全く分からなくなってしまっていた。

 

あれからどれくらいの月日がたったんだろう・・・

 

やがて、電気が止められた真っ暗な部屋で俺の頭の中に

今までの人生がフラッシュバックした。

 

大学の合格発表をドキドキした気持ちで見に行った日、

入学式で達也と出会った日、

飲み会でバカやって騒ぎまくった日、

生まれて初めて彼女ができた日、

商社の入社式で希望に燃えていた日、

残業して這々の体で終電で家路についた日、

 

そして会社をクビになったあの日・・・・・

 

何故、どうしてこんな事になってしまったのだろう。

 

何かが足りなかったのか。

そもそもやり方が間違っていたのか。

いや、もしかしたら誰でもふとしたきっかけでこうなってしまうのが

現代社会の語られる事の無い闇の部分なのかもしれない。

 

オナ禁をすれば自分の人生を変えられるかもしれないと思った。

 

オナ禁効果が本当にあったのかどうかはもうわからないが、

俺には効果がなかったのかもしれない。

 

まあ、ろくに続かなかったので今更確認のしようもないが。

 

その日から俺は日記をつける事にした。

 

2019年 多分〇月。 日付は分からないので今日を1日とする。

今日もマンションの管理会社の人間がやって来た。

今度まとめて払うとこの前言ったのに、

「いつになったら払ってくれるのか」の一点張りだ。

頭に来たから思いっきり怒鳴ってやったら、やっと帰ってくれた。

ざまあみろだ。

 

2019年 〇月 2日

朝起きると身体が妙にだるかった。

熱を測りたかったが、体温計がなくなってしまったので計れない。

風邪でも引いたのか。

こんな日は何もせずにさっさと寝てしまうに限る。

頑張れ、俺。

 

2019年 〇月 3日

今日もからだがだるい。

何かたべようとしておきあがろうとしたが

おきあがれない。

仕方ないからねながらにっきを書く事にした。

めんどくせえな。

 

2019年 〇月 4日

あいかわらずあたまぼーっとする。

さいごになにかたべたのはいつだろう。

あれ?

かんじがおもいだせないぃ?

きっとつかれてるんだろう。

はやくよくなるといいが。

 

2019年 〇月 5日

からだうごかない

きぶんわるいはきそう

てがふるえる

だれかたすけ・・・・・


日記はそこで終わった。

 

やがて混濁した俺の意識は真っ暗な闇の中に

ゆっくりと吸い込まれて、

そのまま二度と日の光の下に戻ってくる事はなかった。

 

(次回、最終章に続く)

 

 

 

 

 

 

性欲と悶絶のあいだ(後編ー1)

これまでの「性欲と悶絶のあいだ」

 

オナ禁だって?馬鹿馬鹿しい。」

 

ふとした偶然から「オナ禁」の存在を知った俺は、

嘘みたいなオナ禁効果の数々を見て辟易し、サイトを閉じた。

 

そんな時、大学の同級生だった遠藤達也から

飲みに行こうと誘われ、俺たちは同窓会以来の再会を果たした。

 

「久しぶりだな、一樹。最近どうよ?

あれから彼女とかできたのか?」

 

「いいや、全然だよ。

どうも俺にはその手の縁はないらしい。」

 

そして俺は達也に全てを話した。

 

大学で初めて出会った時とは全くの別人になっていた

達也が、どういう経緯でそこまで人生を変える事ができたのかを

俺は知りたかった。

 

「達也、頼む!一生のお願いだ!!

お前がどうやってそこまで変わる事ができたのか、

俺に教えてくれ!!」

 

達也は黙って俺の話を聞いた後、俺の目をジッと見てこういった。

 

「お前、オナ禁って知っているか?」

 

6.そして再び動き出す

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「何だって!?」

 

店の後片付けをしていた店員達が何事かと一斉にこっちを見た。

 

「おいおい声がでけーよ。そんな驚く事じゃねえだろ。」

 

とっさに達也に諭されたが、俺が驚いたのはそこではなかった。

 

まさか達也がオナ禁をしていたとは露程も思わなかったので

達也の人生の変わりようを間近で見てきた俺にとって、

その事にオナ禁が関係していた事実に驚きを隠せなかったのだ。

 

「あ、ああ・・今朝ネットで偶然見つけたよ。

オナニーを禁止する事で人生が変わったって人が沢山いた。

あれってマジなのか・・・?」

 

達也は運ばれて来たウーロン茶を一気に飲み干し、話を続けた。

 

「大体知ってるみたいだな。じゃあ話は早い。

一樹、結論から言うとネットに書かれているオナ禁効果は

一部誇張されて書かれている物もあるが、あれは概ね全て本当だ。」

 

いつの間にか俺はテーブルから身を乗り出して

達也の話を一言一句聞き漏らすまいといわんばかりに聞いていた。

 

こんな身近にオナ禁効果を自ら体現している

人物がいるとは思いもしなかった。

 

正直、最初にネットで体験談を見た時は胡散臭くて、

とてもオナ禁なんて信じられなかった。どうせデマに決まっていると。

 

だが、もし

オナ禁効果が本当にあるとすれば、

それまで俺と同じ様にほとんど女性と縁がなかった達也が

急にあそこまでモテるようになった理由も全て説明がつく。

 

そして達也はこう続けた。

 

「いいか?ネットでオナ禁なんて意味はないと言っている連中は

実際にオナ禁をせずにただ、そう言っているタイプと

正しいやり方でオナ禁をせずに途中で投げ出したタイプがほとんどなんだ。

俺は成功者の情報商材を参考にして、

自分のライフスタイルにあったオナ禁のやり方を確立したから

400日のオナ禁に成功したんだ。

効果の程はお前も知っての通りさ。」

 

「400日!?達也、お前、一年以上もオナニーせずに過ごしてたのか!?」

 

「まあな。でも彼女や女友達とたまにセックスはしていたけどな。」

 

思春期に精通を迎えて毎日のように

オナニーをしていた通称”オナ猿”の俺にとって、

400日という数字は途轍もない数字だった。

 

「一樹、俺が使ってた情報商材をお前にやるから、

まずはそこから実践できそうな物だけでも実際にやってみたらどうだ?

俺はそれで人生が変わったぜ?」

 

雲をつかむような話だったが、今の俺にはこれ以上失う物など何もない。

 

どうせなら騙されたと思ってやってみるのも悪くなかった。

 

達也は「ただし、」と前置きしてこう付け加えた。

 

オナ禁は人生を変える為の手段であって、目的じゃないんだ。

手段が目的に変わっちゃダメだ。

よく人生変える為に始めたはずのオナ禁が、

いつの間にか〇〇日続ける事が

目的になっちまう奴らがそうだ。

それから自分の人生を全てオナ禁中心に考えるようになってもダメだぞ。

最終的にオナ禁を使って人生を変えるのはお前だという事を忘れるなよ。」

 

その後、会計を済ませて俺たちは店を出た。

 

時刻は23時。

4月の東京の夜風はまだ肌寒かったが、

酔って少し火照り気味だった俺の身体には心地よかった。

 

スプリングコートに身を包んだ新社会人達がそれぞれ

家路につく中に混じって

俺と達也は駅までの道を一緒に歩いていた。

 

 

「達也、会えて良かったよ。今日は本当にありがとう。

こんな俺でも変われるかな・・・?」

 

「ああ、お前なら大丈夫だよ。」

 

7.性欲と悶絶のあいだで

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やってしまった。

 

オナ禁を開始して3日目。

 

オナ禁者の間で通説になっている最初の関門、

3~7日目の壁が俺はなかなか超えられずにいた。

 

PCのエロ動画の音声が響き渡る部屋で、

俺は達也がいかに偉大な事を成し遂げたのかを思い知らされた。

 

達也から情報商材を渡された日から

もうすぐ2ヶ月が経とうとしていた。

 

 一ヶ月くらいなら何とか我慢できるだろうと

息巻いていた俺の自尊心はあっけなく打ち砕かれた。

 

ムラムラが半端ない。

 

そりゃそうだ。

 

今の今までムラムラすると秒で抜いていたんだから。

 

だがこんなところで落ち込んでいる訳にはいかない、

俺は人生を変える為にオナ禁をしているんだ。

 

自分にそう言い聞かせて明日からこそ

本気でオナ禁を頑張ろうと決意する。

 

その2日後には再びエロサイトのバナーをクリックして

悶絶した後、見事に昇天。

 

「くそっ!!くそおっ!!!

一体俺は何をやっているんだ!!!」

 

自分の意思の弱さに嫌気がさしてくる。

肝心のオナ禁日数は全然増えず、ティッシュの消費量だけが増えていった。

 

こんな事いつまでも繰り返してちゃダメだ。

何とかしないと。

 

食事を変え、筋トレをし、睡眠を充分取ってエロ禁もし、

サプリメントも複数摂取した。

 

達也からもらった情報商材に書かれていた事はほとんど実践した。

 

それでも日数が伸びない。

何日か経つと過去に見たエロ動画の内容が脳内に

フラッシュバックし、

我慢出来なくなってどうしても最後には抜いてしまう・・・

 

このままではオナ禁で人生を変えるなんてとてもできない。

 

そして更に一ヶ月が経ったある日、

気分を変える為に俺は街へでかける事にした。

 

 よくよく考えてみると、オナ禁を開始してからは

オナ禁の事で頭がいっぱいになっていたので、

外出はほとんど近所のコンビニだけしかしていなかった。

 

外へ出る時間が増えれば、

気持ちを少しでも持ち直す事ができるかもしれない。

 

初夏の日差しがまぶしい土曜日の皇居周辺はランニングに汗を流す

ビジネスマンやOLでにぎわっていた。

 

健康で建設的な生活をしている彼等をうらやましいと思いつつ、

公園を一周して学生時代以来行っていなかった国立近代美術館を

見て回った。

 

その後、遅めのランチを取って

駅周辺のカフェで一息つくころには、

入道雲とビル群が紅く染まって帰宅ラッシュが始まろうとしていた。

 

思えば会社を退職して

この数ヶ月はまともに外出していなかった。

 

仕事を失ったショックで外出できなかったのも勿論あるが、

それ以上に自分と同年代の人達が仕事をし、

家庭や自分の生活を守りながら懸命に生きている姿を

見るのが辛かったからかもしれない。

 

だが今日は久しぶりにいい一日を過ごせた。

 

やはり人は他者や社会と関わる事で初めて生きていると言えるんだと

改めて認識し、気持ち新たに帰宅しようと駅前のホテル街を

通りかかったその時、

俺は思いがけない人物を目にした。

 

それは男性と2人でホテルの入り口から出て来た山中千春だった。

 

しかし、まだそれだけなら俺はそこまで驚かなかったかもしれない。

 

何と山中と一緒に出て来たのは彼女の上司の三上だった。

 

俺が知る限りでは三上は既婚者で妻子がいる身だったはずだった。

 

「一体、どういう事なんだ・・?」

 

タクシーに乗り込み、

去って行く2人をいつまでも見ていた俺は動揺を隠せなかった。

 

(次回に続く)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

性欲と悶絶のあいだ(中編)

これまでの「性欲と悶絶のあいだ」

 

俺は御成一樹。

都内の大学を卒業後、就職した商社で

A社との打ち合わせを進めていた。

 

そんなある日、

取引先の山中千春から執拗に食事に誘われたと

あらぬ誤解をされ、それが彼女の上司である三上にも

知られる事となり、俺は課長に呼ばれた。

 

そして一方的な解雇宣告をされ、会社を去ることになった俺は

今まで自分を支えていた物を全て失い、

半ば自暴自棄になって来る日も来る日もオナニーに明け暮れた。

 

「くそっ!!くそおっ!!!」

 

一日中何もせず、オナニーだけはしていた

俺のこころと身体が朽ち果てていくのは火を見るより明らかだった。

 

そんな時だった。

俺がネットで「オナ禁」という言葉を見つけたのは・・・

 

4.最後の希望

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オナ禁?何だこれは・・・?」

 

聞き慣れない言葉に少しばかりの動揺を感じつつも、

俺はパソコンのキーを叩き始めた。

 

するといくつかのサイトが表示された。

 

そこにはにわかに信じがたい内容が書かれていた。

 

オナ禁をするとモテる。」

 

「全てがうまく回り始め、結果人生が変わった。」

 

彼女いない歴=年齢でも彼女ができた。」

 

オナ禁とは読んで字のごとく、

男性のライフワークであるオナニーを自ら禁ずる事で

精子の無駄な放出を防ぎ、

高まった精エネルギーを性欲以外の物に

転換した対価として、様々な恩恵を得られるという。

 

ナポレオン・ボナパルトマハトマ・ガンジー

レオナルド・ダヴィンチ・・・

歴史上の偉人達も性エネルギーの転換を活用し、

今日まで語り継がれている偉業を成し遂げた史実があると

サイトには書かれていた。

 

「おいおい、嘘だろ・・・?」

 

「たかがオナニーを止めた位でそんな人生が

何もかもうまく行くなんて話、信じられるかよ。」

 

そんな事で人生が変えられるなら今ごろ

世の中はもっと成功者で溢れている。

 

団塊世代の老人達が居座る会社の椅子に俺たちの居場所はない。

 

就職氷河期を経てやっと就職しても

ほんの些細な出来事で判断を誤れば簡単に社会的立場を失う。

 

一度落ちたら二度と這い上がれない蟻地獄。

弱い物は生き残れない、生き残る事も許されない。

 

生活保護かホームレスが人生の終着点で、

それも出来なければ万引きでもして刑務所暮らし位しかない。

 

「人権なんてあってない様な物」がこの国の現実だ。

 

こんな世の中で希望を持てなんていう方が無理な話だろ。

 

馬鹿馬鹿しいと思い、サイトを閉じた。

 

その時、普段は滅多にならない俺のスマホが鳴った。

 

恐る恐る発信者を確認すると、

学生時代に同級生だった遠藤達也からだった。

 

達也は俺と同じ大学を卒業後、

都内の製薬会社に研究職として就職。

職場の同僚と社内恋愛の末、2年前に結婚して

今は立派な一児の父親になっていた。

 

仕事、家族、社会的地位。

 

今の俺が何一つ持っていない物を達也は全て持っていた。

 

通話のボタンをタップする。

 

「もしもし?達也か?

久しぶりだな。いきなり電話してくるなんてどうしたんだ?」

 

通話ごしに元気のいい、懐かしい声が聞こえた。

 

「おう、一樹。元気してるか?

お前とこうやって話すのは去年の同窓会以来だよな?

今日久しぶりに仕事終わりにでも一緒に飲みに行かないか?」

 

今はとてもそんな気分じゃないので

一瞬断ろうかとも思ったが、特に気の利いた理由も思いつかなかった為、

俺は達也の提案を受ける事にした。

 

「いいよ。お互い積もる話もあるだろうしな。」

 

「そうこなくっちゃな!

じゃあ、今から予約入れてくっから、

20時に表参道のいつもの飲み屋でいいな?」

 

5.級友との邂逅

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「乾杯!」

 

ジョッキグラスのカチンという音が店内に鳴り響いた。

 

「一樹は最近どうよ?あれから彼女とかできたのか?」

 

軟骨をつまみながら達也が口火を切った。

 

「いいや、全然だよ。俺にはどうもその手の縁はないらしい。

そういう達也は嫁さんとはうまくやってるのか?」

 

「まあ、仲良くやってるよ。

でも最近ウチの嫁さん、子供が出来てから若干育児ノイローゼ気味でね。

この前もどっちが家事やるかなんてつまらない事で

ケンカしちゃったよ。ははは・・」

 

苦笑交じりで幸せそうに話す達也を見ていると、

余計に今の自分が情けなくちっぽけな存在に思えてきた。

 

「一体今まで何をやっていたんだ、俺は」と。

 

言い訳はしたくないが、

今までの人生で決して怠けていた訳ではない。

 

その時その時で一生懸命、目の前の事に取り組んできたつもりだった。

 

徹夜で机にかじりついて受験勉強に励み、

大学に入ってからは周りから取り残されない様に

合コンやサークルに明け暮れる他の学生を

尻目に必死に勉強した。

 

奨学金を返す為にバイトも授業以外の時間は全てフルに入れて頑張った。

 

商社に入社してからは

出世を目指して自分なりに頑張って仕事を

してきたつもりだった。

 

頑張る事しかできなかった自分。

 

他に何か選択肢があったのか。

 

でもその結果、何も得られなかった。

むしろ全てを失った。

 

俺がやって来た事は一体何だったのか・・・

 

「・・・おい、一樹?どうした?」

 

達也から心配そうに顔をのぞき込まれて俺は我に返った。

 

「え?あ、ああ、ごめん。

最近あまりよく眠れてなかったからついボーッとしちゃって。」


達也はやれやれと肩をすくめる真似をした。

 

「お前昔から努力家だったもんな。

どうせ毎日ろくに寝ないで仕事ばっかやってんだろ。

たまには肩の力抜いた方がいいぜ?」

 

それができるならそうしたかった。

達也は俺と違って、何でもそつなくスマートにこなすタイプの人間だった。

 

少し考えて、俺は達也に思い切って全てを話した。

 

誰かに話を聞いてほしかった。

 

会社をクビになった事、人生がうまく行かない事、

どうすればいいかわからなくなってしまった事・・・

 

気がつけばフリータイムが終盤にさしかかる頃まで

俺は達也に自分の気持ちを全て吐き出していた。

 

そして、

 

「実はここだけの話なんだけどさ、俺もお前と一緒で、

大学入ってしばらくの間は全然ダメだったんだよ。

何やっても上手くいかなくて、正直落ち込んでたんだ。」

 

ラストオーダーのウーロン茶を頼んだ後、

達也がこう切り出した。

 

 「え!?お前がか!?」

 

達也とは結構長い付き合いだったが、そんな話を聞いたのは初めてだった。

 

しかし今思えばこころあたりがあった。

 

達也は元々気さくで明るい性格ではあったが、

決して派手で外交的な性格ではなく、

どちらかと言えば俺と同じタイプのあまり目立たない男だった。

 

それが二回生の夏頃に状況が大きく変わった。

 

それまで呼ばれればたまに出席する程度だったのに

毎日のように複数の男女で集まって

飲み会や合コンを開き、ほどなくしてかわいい彼女もできた。

 

その時の達也のモテ方は半端じゃなかった。

 

達也は中目黒でバーテンダーのバイトをしていたが、

達也目当てで来るOLや女子大生達が後を絶たず、

連絡先を渡される事なんて日常茶飯事だったという。

現に彼女以外にいつも

複数の女性の影があった。

 

俺と達也が通っていた大学は東京キャンパスと大阪キャンパスに

分かれていたが、どのつてで聞きつけたのか、

達也の噂を聞いた大阪キャンパスの女子学生達が

わざわざ新幹線で達也に会う為に東京へ

やってきたほどだった。

 

それまで同じ場所にいたはずの

俺と達也の距離は途方もなく離れて、

二度と交わる事はないくらいすれ違ってしまったように思えた。

 

それくらい達也は全くの別人になってしまったのだ。

 

俺は感極まって達也に問い詰めた。

 

「頼む!一生のお願いだ!!

お前がどうやってそこまで変われたのか、

俺に教えてくれないか!?」

 

達也はジッと俺の目を見た後、誰にも言うなよと

釘を刺してこう言った。

 

「お前、オナ禁って知っているか?」

 

(次回に続く)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

性欲と悶絶のあいだ(前編)

こんにちは、

 

バイオハザードリベレーションズの

レイチェルウーズを見て勃起した男、

 

C.W.シコルです。

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(こんなやつ)

 

皆あれ怖い怖いって言ってますが、

シコルは初めて見た時、「怖い」という感情よりも

「なんやこれ!!

めっちゃエログロイやん!!!」という気持ちが強かったです。

 

まさか自分にリョナ気質があったとは・・・

 

あのかわいい声で

「あなたの精液ちょうだ~い」とか言われた日にゃあ

もう、一撃で昇天する自信があります。

(なんの告白やねん。)

 

さて、そんなヤバいレベルのサイコパスド変態野郎は置いといて本題行きます。

 

オナ禁中にムラムラして収まりがつかなくなり、

悶絶の末に何も手につかなかったり

最悪リセットして

「俺は何て事をしちまったんだ!!」と

死にたい位の後悔に襲われた経験は誰しもあると思われます。

 

それでも諦めずに不死鳥のごとく

何度でも蘇ってオナ禁を続けられる人はいいんですが、

何度もオナ禁決意→リセットの無限ループに

ハマっている人もいると思います。

(シコルがそうでした。)

 

今日はいつもの話から少し趣向を変えて

もしそんな状態が延々と続いた場合、最終的に

どうなってしまうのか

物語形式で書いて行きたいと思います。

 

それでは早速イってみましょう。

 

※この物語はフィクションです。

実在する団体や個人、事件とは一切関係ありません。

 

1.死んだ魚の目をして今日も行く

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月曜日の朝と聞いて人は何を思うだろう。

 

一週間の始まり、

気持ちを改めて再スタートする始まりの合図、

美容師の休日・・・

 

俺にとってはそれらのどちらも当てはまらない。

 

「ああ、今日からまた

あの会社に行かなければならないのか。」

 

ただそれだけだ。

 

決まった時間に白線の内側に並び、

駅員に無理矢理電車の中に押し込まれ、

車内には決まったいつもの顔ぶれが並ぶ満員電車の光景は

さながら奴隷の護送列車の様にさえ思えた。

 

皆うつむき加減でスマホに目を落とし、

楽しそうな顔をしている奴なんて誰一人いない。

俺もそんなゾンビみたいな人間の一人だ。

 

「足も踏まれりゃ頭も下げて、愛想笑いの50年。」

 

初代おそ松くんのOPの歌詞のような人生を地で行っている俺がそこにいた。

 

「くっくっく・・・」

 

全く、惨めさもここまで来ると流石に笑えて来る。

 

俺は御成一樹(おなりかずき)。

 

都内の大学を卒業後、一般的には大手と言われている

某商社に入社して早5年が経った、どこにでもいる、ごく普通の男だ。

 

社内での評価はそこそこ、年収もまあ、悪くない。

 

可も無く不可も無い。

 

世間一般の人間から見れば

順風満帆な人生を送っている様に見えただろう。

 

しかし現実は違った。

 

就職してからというもの、毎日が会社と家の往復の繰り返し。

 

休日に遊ぶような友人もおらず、

BBQやライブへ進んで行く様な外交的な性格でもなかった

俺の欲求不満と怒りの矛先は”オナニー”という形で

全てスペルマとともにティッシュの中へぶちまけられた。

 

もう彼女なんて何年前にできたのかも覚えてすらいない。

 

死んだ目をして鉛のように重たい身体をひきずりながら会社へ行き、

仕事という形の仕事らしい事をして自分の時間を捧げ、

毎月、最低限生きて行けるだけの給料を与えられて

会社に生かされているだけの俺を支えていたのは

「自分は世間一般で言われている大企業に勤めている」という

安っぽい、風が吹けばすぐにでも吹き飛んでしまいそうなプライドだけだった。

 

「一生このまま死んだみたいに生きていくのかな。」

 

そんなとりとめのない事を考えている内に

電車は会社のある終着駅にたどりついた。

 

不機嫌な顔をした乗客達とともに

電車から吐き出された俺の足取りは今日も重かった。

 

2.それは晴天の霹靂だった

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「御成君、ちょっといいかな?」

 

 昼休み明けの一番で課長から会議室に呼ばれた。

 

「何だろう?課長が俺に話なんて・・・」

 

怪訝な顔で課長が待つ会議室へ入ると

そこには課長だけではなく、書記と思われるような若い男と

取引先で何度か見た事がある「三上」というガタイのいい男がいて、

ただならぬ雰囲気が漂っていた。

 

どう見ても普通に話があって呼ばれただけとは言えない。

 

「どうかしましたか?課長?」

 

「君、確かA社との取引で取引先の山中千春さんと

今までに何度か打ち合わせしてたよね?」

 

「え?ええ、そうですが、それが何か?」

 

「彼女から担当を変えてほしいと直接苦情があってねえ。

何でも打ち合わせの際に君からしつこく食事に誘われたとか

いう事を聞いたんだよ。

それが先方の課長の耳にも入って大変立腹しているらしい。

君はそこのところをどう思っているのかな?」

 

「え!?そんな!?

食事に行こうなんて誘っていないし、しつこくなんて

してませんよ!?

ただ、自分は彼女と普通に打ち合わせを・・・」

 

「彼女はとても神妙な面持ちで私に話してくれたよ?

今日は彼女の直属上司の三上さんにも来ていただいている。

山中さんは事件後にPTSDを発祥していて、

今日は席を外してもらっているから

君に直接話を聞きたくてね。何か言い分はあるかな?」

 

確かに山中千春とは今後の取引の事で何度か打ち合わせをしていた。

 

彼女は真面目で

身なりもきちんとしており、仕事に対しても

とても熱心で、女性として全く意識していなかったと言えば嘘になる。

 

事実、彼女はとても魅力的な女性だった。

 

話が盛り上がって何度か

「機会があれば、一緒に食事にでも行けたらいいですね」

くらいの話はした。

 

しかし、あくまでそれは話の流れで

建前でそう言っただけであって、決して

執拗に誘ったりした訳ではない。

 

彼女も嫌がっている様子もなく、

終始笑顔で話してくれていたのに

何がどうなってそんな話になったのか、

俺には全く理解できなかった。

 

「待ってください!!

彼女が本当にそんな事を言ったんですか?

一度彼女と話をさせてください!それは誤解です!」

 

その言葉を遮るようにして三上が話し始めた。

 

「困るんですよ、御成さん。

御社と弊社の信頼関係を壊すような事をされると・・・

今後の取引が全て白紙になる可能性もあるんですよ?

もしそうなった場合、あなたはどう責任を取るおつもりですか?」

 

「そんな・・・責任を取るって・・・」

 

「三上さんの仰る通りだ。

とにかく、もう君には先方との取引から一切外れてもらう事になるが、

それだけでは済まない話になっているんだよ。

最近我が社もコンプライアンスが厳しくなったのは

君も知っているよね?」

 

「は、はあ・・・」

 

「今回の不祥事が世間に知られれば

我が社の心象は非常に悪くなるし、今後他社と仕事をする事も

難しくなるだろう。

だが、今はまだこの事実を知っているのは私たちだけだ。

もし君が自己都合という形で退職してくれるのなら

先方もこれ以上事を大きくする事はないと言ってくれている。

その方が君もまだダメージが少なくて済むだろう?」

 

「ちょっと待ってくださいよ!

退職なんて、僕にだって生活があるんですよ!?」

 

俺の話など聞く耳も持たないと言った様子で

3人がそれぞれに席を立ち、去り際に課長が俺の肩を叩いた。

 

「君とこれ以上契約を続けるのは難しいと言っているんだ。

残念だよ。」

 

何も言い返せず、

呆然と立ち尽くした俺の後ろで会議室のドアが無情に閉じた。

 

3.全てを失った男

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事実上のクビだった。

 

その後、会社で残りの時間をどう過ごして

どうやって家に帰ったかは全く覚えていない。

 

何故こんな事になったんだろう。

 

自分が間違っていたのか、あわよくばという気持ちがほんの少しでも

あった事が彼女の気分を害する事に繋がってしまったのか。

 

会社を退職後、しばらく何もしない日が続いた。

 

食って寝て、オナニーして、

ただただ現実から目を背ける事しかできなかった。

 

そして一週間ほど経ったある日、

ネットを見ているとある言葉が俺の目に止まった。

 

それがオナ禁と俺の出会いだった。

 

(次回に続く)

 

 

 

 

 

 

 

 

何故自信を持つ事がそこまで大事なのか(後編)

こんにちは、

ツンデレは実在しないと思う男、

C.W.シコルです。

 

いや絶対いねえだろ、あんなん。

 

現実世界で女性からつれない態度を取られて

「あ、これはツンデレって奴か」とイタい勘違いをすると

後で漏れなくどえらい目に遭う事は想像に難くないでしょう。

(体験談)

 

さて、本題ですが

前回の話で自信とは一体何なのか、

何故こんなにも

自信が持てなくなった人が増えているのかという事について

シコルなりの考えを述べてきました。

cw-sikoru.hatenablog.com

 

今日は、そんな世の中の仕組みを知った上で、

ではどうすれば自信を持つ事ができるかについて

いろいろ話して行きたいと思います。

 

では、イってみましょう。

 

3.自信を持つのではなく、

取り戻すと考えてみてはどうだろうか

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前回の話で話した

自信は生まれた時からみんな持っているという

前提で考えた場合のシコルの考察です。

 

持っていなかった物を持てというのは

人間の心理的にハードルが高いですが、

元々持っていた物をもう一度取り戻すというのは

大分意味が変わってくるし、

ハードルも下がるんじゃないかと思います。

 

割と極論になりますが

「あ、これなら自分でもできそうだな」と思った物だけでも

やってみてはどうでしょうか。

 

まず、人間が何かを変えようと思った時、

何を変えるのが一番手っ取り早いかというと環境です。

 

住んでいる場所を引っ越したり、転職したり

というのが一番強力ですが、

これはどういう事かと言うと周りの人間関係を

一度リセットして変える事です。

 

例えば

会社で事あるごとに否定してくる上司、

足を引っ張って来る同僚や

自分の事を馬鹿にしてくる人間達

(自己肯定感を下げる要因になっている人間達)から離れる事です。

 

「簡単に言うなよ」

「生活かかってるから今の仕事は嫌だけど辞められない」

 

という意見も勿論あると思います。

 

そういう人は

そんな人間達とは徹底的に距離を置いて

関わるのは最低限、仕事上の事だけまで

減らしてみるのがいいと思います。

 

その上で自分を否定しない、理解して

受け入れてくれる人達を大事にすればいいだけです。

 

別に自分から敵を作る必要はないですが、

全ての人間から好かれようとする必要もないし、

好感度ランキング一位の芸能人だって一定数のアンチがいる通り、

全ての人間と仲良くなるなんて土台無理な話です。

 

そして次に、

自分が決めた事はどんな些細な事でもいいので

最後までやり遂げる(終わらせる)癖をつける事です。

 

これは何も難関資格を取ったり

出世したりと言った大それた目標でなくてもいいです。

 

例えば

今日一日、イライラせずに過ごすぞ!

とか

途中までしか読んでいなかった本を最後まで読むぞ!

とか

今日は家の掃除するぞ!

くらいの簡単な事でいいんです。

 

そうやって

 

自分でこれをやると決める→達成する

 

を何度も繰り返して行く事によって

自分の中で小さな勝ち癖をつけて行くんです。

 

「あ、俺ってちゃんと自分で決めた事できてるな」って。

 

そうやって小さな自信を積み重ねて

自分を認めてあげる事が一番現実的ではないかと思います。

(時間はかかりますが。)

 

シコルがそうなんですが、

今までの人生で全く自信が持てなかったのに

 

何でもいいからとにかく自信を持て

 

と言われたって、

「はいそうですか」とすぐに自信なんて持てないのが

普通じゃないでしょうか。

 

「根拠のない自信を持てばいい」という言葉を

よく本やネットで見かけますが、

それ一つで解決するのならとっくに解決していると思います。

 

人間はなまじ頭がいいばかりに

どうしても理詰めで考えてしまう為、無意識に

自信の元になる根拠を求めがちになってしまうんです。

 

「 根拠のない自信を持てばいい」という言葉は一理あると思いますが、

そういう事を言う人達って良くも悪くも何も考えていないんですよ。

 

まあ、だから人生がうまく行く確率が高かったり、

彼女ができたりするんですが。

 

4.では何故自信を持つ事が

そこまで大事なのか

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では何故こんなに

自信を持つ事が大事なのかという話ですが、

結論から先に言うと

 

自分に自信がない状態だと

あらゆるところでもう一歩踏ん張れない上、

全ての行動に変なブレーキがかかる為に

行動が起こせないから

 

なんです。

 

「え、それだけ?」と思うかもしれませんが

この差が後の人生経験に大きく関わって来るのは間違いないです。

 

分かり易い例で言えばナンパ地蔵がそうです。

 

ナンパしてて

自分には不釣り合いな位の美人な女性を見つけたとします。

 

もしかしたらその美人に声をかける事で

将来自分の彼女にする事ができる可能性が1%でもあるかもしれないのに、

自信がなくて地蔵状態になっていると

 

「どうせ声かけたって無視されるだけだ。」

 

とか

 

「あんな美人だったら、きっと彼氏もいるだろう、

自分にはもう少し分相応な女性の方がいいな。」

 

とか変な言い訳を考えた挙げ句、

結局声をかけられない事がザラに起こるんです。

 

そうやって戦う前から負けてしまう

負け癖がついてしまうんです。

ナンパだけに限らず他の事においても全て。

 

 その反面、自分に自信がある男性は

「自分が声をかけて断られる方がおかしい」くらいの

気持ちでいるので、

何もためらわずに見つけた次の瞬間には

もう話しかけています。

 

例えそれでうまくいかなかったとしても

「まあ、そんな事もあるさ」くらいしか思っていないので

全くダメージも受けていません。

 

自分に自信を持っている為、少しくらい

無碍に扱われたり自分を否定されたぐらいでは

自信が揺らがないんです。

 

モテる男や自信のある男って大体そんなもんです。

 

「自分が思っているより

実際にやってみると案外すんなりうまく行って、

実は思っていた程難しい事じゃなかった」

 

なんて事は人生でいくらでもあります。

 

そしてそれを知るには

まず

実際に自分が行動を起こさなければ分かりません。

 

今までの人生でもしかしたら

行動すればうまく行っていたかもしれない、

その後の人生が今とは違う結果になっていたかもしれない事が

一つや二つあったかもしれませんよ?

(勿論シコルにも言える事ですが。)

 

自信がなくて行動に移せなかった為に

損している事があるかもしれないですよ?

 

5.それでも自信が持てないのであれば

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言い方がおかしいかもしれませんが、

自信がない自分も含めて自分なんだと認めてあげる

事が大事なんじゃないかなと思います。

 

無理に強がる必要はないし、

自信なんて無理矢理持つ物でもないからです。

 

自然に自分の内から湧き上がってくるのが自信であって、

「年収が高い」

「大企業に勤めている」

「勉強ができる、スポーツができる」

というのは確かに自信を持つ理由にはなりますが、

それはあくまで人間が理詰めで考えてとってつけた様なものなので、

特別じゃなくても誰でも自信なんて本来は持っているのが

当たり前なんです。

 

けれども

前回で話した通り、

現代社会はテストステロンや

自己肯定感をさげる要因に溢れているので

生きづらさを抱え易い世の中になっているとは思います。

 

ただ、希望のある事を話せば、

そんな中でも自分をコントロールする事さえできれば

ある程度はそういった負の影響に流されなくて済みます。

 

自信を失ってしまうのは

自分の頭で考える事をせずに周りに流されてしまっている事が

大きな原因なので、

自己を強く持てる人がいざという時に強いんです。

 

頑張って行きましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何故自信を持つ事がそこまで大事なのか(前編)

こんにちは、C.W.シコルです。

かつて「着信アリ」というホラー映画がありました。

 

ちなみにシコルの携帯は常に「着信ナシ」です。

 

ある意味ホラーですね。(泣)

 

 

 

 

すいません、ただこれが言いたかっただけです。

 

さて、何かよく分かりませんが本題行きます。

(雑やな)

 

よくオナ禁ブログやモテる方法が書かれたブログで、

 

「自信を持て」

 

という言葉が出て来ますよね。

 

シコルを含めてモテたい人の全員が今まで耳にタコができるほど

散々聞かされた言葉だと思います。

 

でも、そもそも女性から全く相手にされなかったり、

今までの人生で自分に誇れる物が何もないから

自信が持てなくて、

それでも何とかしたいから

自信を持ちたいが為に本なりブログなり見て

経験者から教えを請いたいのに、そういう人達に対して

ただ、

 

「自信を持て」

 

というのはある意味暴論じゃないのかとさえ思います。

 

自信が持てないのにただただ自信を持てって。

 

ろくに武器も渡さずに

ナイフでタイラントを倒しに行けと言っているような物です。

(できねーわ!そんなもん!!)

 

今日はそんな「自信」ってそもそも何だよって話です。

 

1.自信とはなんぞや

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Wikipediaによると

 

自己を信頼する気質、

人間が自らの能力、知識、信念などを

信頼している 精神の状態

 

だそうです。

 

 要するに「俺は何でもできるぞ!!」とか、

ナポレオンの言葉を借りれば

「我輩の辞書に不可能という文字はない。」という事です。

 

自分の能力に絶対の信頼を置いているから

出てくる言葉ですね。

 

事実、歴史上の偉人や一国のリーダーになるような人達は皆、

自分に絶対の自信を持っています。

 

だから自分の信念や意見に反対する人達がいても、

それが正しいか間違っているかは別として、

最終的に自分の意見を押し通してしまうんです。

 

最近の人物で言えばトランプ大統領橋本徹さんが正にそうです。

 

戦争もお互いが「自分は絶対に正しい」という

信念を持っているからこそどちらも譲らずに摩擦が起こった結果、

起こるんです。

 

ここまでの話で勘のいい方は気づいたと思いますが、

自信というのは何か行動を起こしたり

一歩踏み出す時の原動力であり、

同時に制御が効かない暴れ馬のような物でもあるので、

非常に強力なパワーを持っているものの、

使い方が難しい物なんです。

 

でもこの自信というよく分からん強い力は

本来人間なら生まれた時から誰でも

等しく備わっている物なんです。

 

では何故世の中には自信がない人が多く存在しているのかについて

シコルが個人的に思う事を淡々と書いて行きたいと思います。

 

それではイッてみましょう。

 

2.自信を失ってしまう要因は

実は子供のころから既に存在している

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全てを環境のせいにするのは流石に

シコルもどうかとは思いますが、

事実として現代社会の中には

個人のテストステロンを下げたり、

自信(自己肯定感)を

下げるような要因がいっぱいあります。

 

では、それは何かと言うと

それは既に子供の頃から始まっています。

 

人間が生まれてすぐに関わりを持つ人物は誰だと思いますか?

 

言うまでも無く家族ですよね?

 

(一つ誤解しないでいただきたいのですが、

自信が持てないのは家族が悪いからだという話ではありません。)

 

子供の頃はまだ世の中の事を全くと言っていいほど知りません。

 

でも知らないが故に

自分がこうしたい、ああしたいと思った事は

何でもできるという素直な気持ちで

子供達は生きています。

 

サッカー選手になりたいとか、看護師になりたい、

面白い話ではYouTuberになりたい子供もかなり増えているそうです。

 

自分を信じているから

何も疑う事無く普通に「なりたい!」って思えるんです。

 

しかし、ここで大人達の「待った」が入ります。

 

「今の時代で〇〇になるのは難しいから、

夢ばかり見てないでいい大学へ入って

将来は現実的な仕事についてくれ」と。

 

もう一度言いますが、これは家族が悪いという話ではありません。

 

そういう両親も子供のころは

自分は〇〇が大好きだから将来は絶対この仕事に就きたい!と

思った事でしょう。

 

しかし大人になって社会に出てから

現実を知り、世の中の人間のほとんどが

自分の思うように

生きる事は難しい事実を目の当たりにした経験から言っている事であって、

自分の子供には同じ辛い思いや苦労をさせたくないという

親心なのはよく分かります。

 

子供の夢を潰す為ではなく、

自分と同じ轍を踏んでほしくないから言っている

言葉なのは分かります。

 

でも悲しいかな、

 

子供のころはまだ現実を知らないが故に

それを自分の夢、強いて言えば

自分自身も否定されたと捉えてしまうんです。

 

「僕はできるって思っているのに、どうして

お父さんもお母さんも僕の事を分かってくれないんだ」って。

 

ここからまず今まで自分の中で絶対的だった自信が

少しずつ揺らいでいく事が

始まっているのではないかと思います。

 

そして

時が経つにつれ、学校に入って周りとの競争に晒され、

時に自分の無力さを知り、

テストの結果発表という形で

成績の良い子やスポーツができる子と比べられ、

少しでも自分を出したり目立った事をすれば

「我が強い、協調性がない」と先生から言われて

自分の能力や可能性を信じる事が

どんどんできなくなって行きます。

 

「あ、自分は思っていたほど

出来る人間じゃなかったんだな」って具合に。

 

更に時が経ち、

学校の成績順位の競争や受験戦争からやっと解放されたと

思いきや、今度は右も左も分からないまま

オール一本で社会の荒波に放り出されて

同期との出世競争に晒され、

少しでも決まり事やマニュアルから外れた事をすれば

「何でマニュアル通りにやらないんだ」と上司から

そこまで言わなくてもいいのにという位に叱責されます。

そしてタチが悪い事に現実には

仕事の能力だけではなく、個人の人格を真っ向から否定・罵倒してくる

人間達(クソ野郎共)がザラにいます。

 

学校や会社はとにかく

全ての人間を同じにしたがります。

人間なんて考え方や捉え方、得意不得意も

人それぞれ違うのに

それを無理矢理全員同じ土俵に立たせて

競争させているんです。

 

野球選手と水泳選手を格闘技で戦わせているような物です。

 

話が大分長くなりましたが、

要は何が言いたいかと言うと、

 

そんな環境で今まで生きてきた

人間の内、果たしてどれくらいの人が

本当の自信なんて持てますか?って話です。

 

話が長くなりそうなので、

久々にここで内容を前編・後編に分けたいと思います。

ここまでの話を聞いて賛否両論いろいろあると

思いますが、もう少しだけこのくだらない話に

お付き合いくださいませ。

 

次回に続くでござる。